2022年5月第3週の一言

タンゴの節句・復活!②

旦過市場大學堂でタンゴイベントは、5月にケンジ&リリアナとマーシー&マギが手弁当で北九州に来るということになって急遽決まった。
門司港での「タンゴの節句ミニ」の翌日、タンゴの節句のその日に、2組のダンサーと共にトリオ・ロス・ファンダンゴすがタンゴライブをやり、お客さんを巻き込んで市場のとおりでみんなが踊ったら楽しいだろう、ということになった。

題して「タンガでタンゴにタンゴ」。

しかし、4月19日、旦過市場の大火災。
フライヤーができあがり、発表することになっていた当日だった。一旦、すべて白紙に。しかし、市場の方々が「やってほしい」と言ってくださり、開催が決まったのは、火災から6日後の4月25日だった。

当日のことについては語っても語りつくせない。市場が湧きかえり、踊った。翌日、興奮冷めやらぬ中でツイッターで振り返った文章は以下。

タンガでタンゴにタンゴ、終了。みんな幸せになりたい。一緒に生きたい。生きていると感じたい。人間らしくありたい。いのちを応援したい。その事がよくわかった一日。みんなのはじける笑顔、響き渡る拍手、声援、そして溢れるダンス。何もかもが素敵だった。コロナ禍でそうした人間の喜びが抑えつけられてきた日々。そこへ新たな戦争。そして大火災。でも人は生きる。共に生きる。生きなければならない。生きたい。だから、旦過市場でみんなあんなに幸せそうだったのだ。

市場とタンゴがこんなに合うなんて!という声を沢山いただいた。シジョウではなくイチバ。人と人が行き交い、やりとりし、共に生きるための場。人が人と一緒に歩み生きることを音楽と踊りで表現するタンゴ。考えてみれば、はじめから両者は響き合っている。ああなるのも当然といえば当然か。

やりたかったのは景気づけ。賑わい、行き交いを少しでも呼び込む事。市場を来て楽しみ、買い物をし、また来たいと思ってもらいたい。資金もカンパも要るけれど、人、人間こそが復興再建のカギ。我々のタンゴがその呼び水になるなら、嬉しい。

ケンジ&リリアナはこれまで幾度となくトリオ・ロス・ファンダンゴスの向かうべき方向を示唆し続けてきてくれた。今回もそうだった。3年ぶりのタンゴの節句ミニの開催も、タンガでタンゴにタンゴも、ケンジ&リリアナの「行く」の宣言から始まったことだった。

マーシー&マギとは初めて会った時から友だちだった。でも今回改めて彼らがどんなにハートとソウルとスピリットのある人たちであるかという事が胸に沁みた。熱くて、深くて、やさしいダンサーたち。トリオ・ロス・ファンダンゴスはこんな仲間がいることを誇りに思う。

大學堂の皆さん、タンガでタンゴにタンゴを作り上げて下さり、そして心からもてなしてくださり、ありがとうございました。旦過市場の皆さん、お休みの日とはいえ、お騒がせしてすみません。受け入れてくださり、ありがとうございました。そしておいでくださった皆さん、ありがとうございました。

東京、広島、福岡から駆けつけたタンゴを愛する友人たち、集まった地元の方々、市場のお店の方、大學堂のスタッフ、出演ダンサーたちみんなが旦過市場の通りをミロンガに変えている様は夢のようだった。その真ん中でトリオ・ロス・ファンダンゴスはただ幸せでした。感謝。

こんなことが起きるなんて。
予定も計画もなく、予期もしていなかった出来事。一生の宝物のような出来事。
23年前、この教会のイースターコンサートで初めて3人が一緒に演奏した時から始まった一歩一歩が、ここにたどり着く歩みだった、と思えた。すべてが報われた瞬間。

みんな幸せになりたい。生きているその事実を、いのちを、みんな共に喜びたい。自分はそんな人間のひとり。みんなそんな人間たち。
みんなで生き抜きたい。本当にそう思う。

(記)会計担当 U.N(2022年5月15日の週報より転載)


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