2022年4月第3週の一言

今、平和の主イエスに従おう
(2022年4月15日 受難日に 日本バプテスト連盟理事会)

2022年2月24日、ロシア軍によるウクライナ侵攻が始まりました。新たな殺戮と破壊、人間の尊厳の蹂躙が行われています。2022年3月28日の会堂装花無数の人々が住まいや故郷を失って難民となり、周辺国への脱出を余儀なくされています。市民への虐殺行為も報告されています。

一方、ウクライナ政府も愛国心を鼓舞し、国民の避難を制限して、戦闘に加わるよう求めています。そのウクライナ政府の支援要請に応える形で、西側諸国の多くがロシアへの経済制裁を打ち出し、武器供与までして、戦争を後押ししています。

日本国内でも、他国による侵略に備えての国軍創設、核武装、改憲の必要性を主張する声が政府与党周辺から露骨に挙がるようになっています。憲法にいて「国の交戦権を認めない」と約束をし、侵略されても「自衛戦争」という手段を取らないことを公言したこの国で、政治と外交の敗北である戦争がほかならぬ政治自身によって推進されています。

戦争の様々な背景や原因、その是非が議論されています。ニュースや映像が、その真偽の確認も十分にできないまま流され続けています。いつしかわたしたちの誰もが、報復心や怒り、敵意や憎悪に駆り立てられ、「敵」の殲滅(せんめつ)を願い、国防のための戦争を是認する思いへ誘惑されています。

しかし、すべての戦争が悪です。
憎悪を伴い、人間のいのちを大義や国家の犠牲にします。いつの時代も、力ある者がはじめ、弱い者たちが犠牲になります。兵士たちも、人間性と尊厳を深く傷つけられ、歪められ、いのちを奪われていきます。正しい戦争など、ありません。

わたしたちは、愛し、共に生きる人間として、神の像に作られました。戦争をするために創られたのではありません。

だから、戦争をすることなど出来ないのです。

イエスは「殺せ」とも「死ね」とも言いません。
「敵を愛し、迫害する者のために祈れ」「剣をおさめなさい。剣を取る者は剣で滅びる」と言い、傷つけられた身体を示しながら「平和」と言われるのです。

だから戦争を止めることが出来るのです。

十字架の主イエスは今も、傷つけられ死へと追いやられる者たちに伴い続け、わたしたちすべての和解として生きておられます。

だからわたしたちは平和を創り出すことが出来るのです。

2002年、まさにイラク戦争が始まろうとするときに、わたしたち日本バプテスト連盟総会は「平和に関する信仰的宣言」を採択しました。そして2019年に改訂し、改めてわたしたち自身の宣言として受け取りなおしました。ここに、わたしたちの信じ求める主イエスの平和が示されています。

今、このときに、平和の主イエスに従う信仰を改めてともに選び取りましょう。復活の主イエスが、十字架のみ傷を示しながら、わたしたちを平和へと招いておられるのですから。

第6戒 あなたは殺してはならない

主イエスによって解放され生かされた私たちは、他者を殺しその存在を否定することができない。殺しのあるところに平和はない。私たちは殺さない。軍備のあるところに平和はない。私たちは殺すための備えを否定する。戦争に協力するところに平和はない。私たちは殺すことにつながる体制作りに協力しない。暴力のあるところに平和はない。私たちは暴力の正当性を否定する。主に従う教会は敵を愛し、迫害する者のために祈る。

(日本バプテスト連盟・平和に関する信仰的宣言より)

(記)会計担当 U.N(2022年4月17日の週報より転載)


2 Replies to “2022年4月第3週の一言”

南 俊治 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です