6月25日、日本バプテスト連盟平和に関する信仰的宣言担当者会・同宣言推進プロジェクト主催オンライン平和学習会が開催されました。
石垣市議会議員の内原 英聡(うちはら ひでとし)さんから講演「沖縄南西諸島の軍事基地化」をお聴きしました。
内原さんは、具体的な事例やデータを紹介しながら、石垣をはじめ南西諸島で急速に 推し進められている軍事基地化の現状を語って下さいました。沖縄から離れた地域では その報道も殆どない中、この国で具体的に進んでいる、憲法を改正しなくても戦争のできる体制整備についての報告に、大きな衝撃を受けました。
政府は、「台湾有事」という具体性に乏しい言葉で中国による戦争の危機感を煽り、 その防波堤の役割を南西諸島に負わせようとしている。戦争が起きた場合には、沖縄・ 南西諸島で自衛隊のみが戦闘を担い、来る確証のない米軍の到着を持久戦で待つ計画がなされている。これらの報告からは、沖縄に捨て石として悲惨な地上戦を強いた歴史を そのまま再現しようとしている国の姿が見えました。
この「台湾有事」が強調されるようになったのは2022年2月にロシアがウクライナ侵攻を始めた直後から。
政府はこの戦争を沖縄での軍事基地化、軍備増強の正当化のために利用している。防衛の名の下に進められる軍事基地化のための予算が、結局は利権絡みで中抜きされ、使途不明で消えていっている。
マスコミを通じて喧伝されているほど、中国の軍事的脅威が南西諸島付近で高まっているわけではない。そうしたことも示されました。
行政への情報開示請求は有効。 沖縄でなくても各地ででき、そこから得られる情報は、時にマスコミがまだ掴んでいない貴重なもの。それを報道機関に提供して広げてほしい。
そう内原さんは語りました。
また戦争や軍事基地化問題を環境問題としても捉える視点が、世界的な共感・連帯の広がりにつながる、という事も示されました。
参加者は91人に上りました。
「ここまでとは知らなかった」
「実態のひどさとずさんさのギャップにあきれた」
「詳しく学べて良かった」
などの声が届いています。
最後に、現在作成準備中の「みんなの平和こうどくぶん」(平和に関する信仰的宣言をベースにしたやさしく短い交読文)の8月第1週分を読み交わして集会を終えました。
この日、沖縄で昨年12月に米兵による少女暴行事件が起きていたこと、3月の起訴後も、政府はこの情報を沖縄県側に伝えていなかったことが明らかになりました。
沖縄が、政府によって、日本国によって、こうした事件が繰り返される状況に置かれ続けていることを本当に悔しく、申し訳なく思いながら、内原さんのお話を伺いました。(さらに3日後、5月にも米海兵隊員による女性暴行事件判明。)
連続平和学習会の第2回は8月27日、早尾 貴紀さん(東京経済大学)から講演「ガザ侵攻にパレスチナ/イスラエル問題の核心をみる~なぜジェノサイドは止められないのか~」を聴きます。
さらに10月22日にはナイム・アティーク著「サビールの祈り~パレスチナ解放の神学~」公開読書会、年明けて1月28日には志村 真さん(日本基督教団飯塚直方教会牧師)の講演会「主イエスへの信仰で創る平和~聖書を読み直しつつ~」 が続きます。
ぜひ奮ってご参加ください。
(記)会計担当 U.N.(2024/6/30週報より転載)
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