アルゼンチンタンゴ楽団トリオ・ロス・ファンダンゴスと、ダンサー・ケンジ&リリアナが、 2002年から毎春GWに開催してきたタンゴショウ「タンゴの節句」。2020年、2年のコロナ禍での中断の後、一昨年、昨年と2年をかけて少しずつ徐々に回復、そしてついに今年、5年ぶりの全日程ホール公演で完全復活。
「やっとです。でも元に戻ったのではありません。ご覧いただくのは、この間も成長を続け、 すっかり新しくなったタンゴの節句です。 どうぞ心ゆくまでお楽しみください。」
プログラム の挨拶にはこう書きました。
何よりもの新しさは、マーシー&マギが加わり、タンゴの節句が各段にバラエティとスピード を増したことです。お二人は、タンゴの節句が小規模ながらまた立ち上がった2022年に、手弁当で北九州にかけつけてくれ、それ以来この旅に加わったのでした。
そして23年、門司 港・三宜楼でのタンゴの節句2023千秋楽。金屏風を背にしての百畳間で、2組のダンサーが目まぐるしく入れ替わり立ち替わり登場しては世界を変え、時に芝居仕立てで2組がタンゴの物語を演じ、観客に息をつく暇さえ与えない、かつてない見世物へと、タンゴの節句は踏み込んだのでした。
今回福岡の会場は初めてのサイエンスホール。本公演前夜のミロンガには沢山のタンゴファンがおいでくださり、フロアにきれいなダンスの輪・ロンダが出来ました。ミロンガを大事にしてきてよかった、と心の底から思えた一夜でした。
翌日は同会場でいよいよ本公演。 久しぶりの広々としたステージ、そしてフロアでのタンゴショウ。演奏中に、感覚が戻ってきたのでした。ケンジ&リリアナのダンスには思わず涙。演奏の音やタイミングを細かくとって踊るマーシー&マギに、にやり。新曲を含めて熱唱するKaZZmaの歌はこの間さらに円熟味を増し、演奏との掛け合いはさらに丁々発止に。 2組の ダンサーと歌と演奏が一体となっての大団円の迫力は、これまでにないものでした。
5月4日は5年ぶりの北九州芸術劇場小劇場。
「ただいま戻ってまいりました!」と挨拶した瞬間、「おかえり!」 という熱い歓声と拍手がホールに満ちて、ぐっと来ました。こんなに まで熱く迎えられたのは、初めてかもしれません。終演まで、ただただ幸せでした。
5月6日、宮崎市民文化ホール。宮崎でのタンゴの節句は5年ぶりです。宮崎で開かれているいわつなおこさんのアコーディオン教室のメンバーが中心になって、集客や会場準備など本当に献身的に担ってくださり、この公演を迎えることができました。 会場につめかけた皆さん が、温かいのでした。やさしくてやわらかいのでした。
Kazzmaが北九州公演終演後、東京に帰り、7人でのステージ。ここだけの出し物を幾つも用意してのスペシャルプログラム。 宮崎公演を最初から支えてきてくださり、今回二人の息子さんに両脇を抱えられるようにしておいでくださったAさんは終演後、目に涙をためながら、「生きんと損だと思った!」と力強く語ってくださったのでした。
ようこそ、タンゴの節句2024へ。
そうプログラムに書きました。しかし迎えられたのは、タンゴの節句自身でした。いや、みんな迎えられたのです。今日という日にようこそ、 は本当によくぞ、という意味です。誰もがみんな、この間を生き延び、生き抜いて、「今」に辿り着いたのです。本当に、ようこそ。
スタッフの皆さんにも本当に助けられました。 ありがとうございました。
もう次のことを考え始めています。 ようこそ、ようこそ、と迎えられながら生きる。 生きんと損、とばかりに生きる。 その喜びを味わうタンゴの節句を、これからも!
ありがとうございました。
記:会計担当U.N.(2024/5/12週報より転載)
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