旦過市場を襲った二度の火災をくぐり抜けたにも拘わらず、結局解体を余儀なくされることになった大學堂のお別れ会が金曜の夕方に開かれて、参加した。翌日、思い出をフェイスブックに綴りました。
転載します。
大學堂でやった演奏、イベント。色々、あったなぁ。
ソロ。
始まった頃の大學堂で、こちらも始めてまもなくのソロライブを。次々にしまっていくシャッターの響きとアンサンブルしながら。それから何度も、何度も。
デュオダイアローグス。
竹に雀をやると、向かいの八百屋の大将が毎回すごく喜んでくれた。
芋ロックフェスティバル。
フクヤマワタルさんとCD音源交互にかけながら芋ロック片手にトーク。ノート取りながらまるで授業のように聴くお客さんの姿があった。
高岡大祐とワタンベのボイラーズ。
こんなん好き、と隣の豆屋のおばちゃんが喜んでくれたっけ。
黒田征太郎さんが絵を描いてくれたこともあった。宏丸さんともやった。竹川さんとのジョイント、ライブ&トークも面白かった。
いっぱい、楽しいライブをさせてもらった。
そして、最後が今年5月5日。
タンガでタンゴにタンゴ。奇跡。トリオ・ロス・ファンダンゴスとダンサー・ケンジ&リリアナ、マーシー&マギ。ものすごい盛り上がり。来年もやるつもりだった。それが最後になるなんて思いもしなかった。
昨夜のお別れ会、沢山の人が集まった。やっぱり駆けつけていたケイトさんとふたりで「思い出の届く日」。この曲しか考えられなかった。
トリオ・ロス・ファンダンゴスは数限りなく演奏してきたし、5月にもこの場所でやった曲。鍵盤ハモニカのケイトさんとふたりでこの曲をやるのは初めてでぶっつけ本番だったけれど、自然に、これしかない、という流れに。
5月に一緒に「タンガでタンゴにタンゴ」をやった、ここにいない他の5人の想いと共に。
でも全ての最後はやっぱり竹に雀をやりたいと思った。市場だし、賑やかに大學堂を送ってあげたかった。大學堂の看板の周りに集まっての写真撮影の後、二度目の火事の後の片付けと掃除の時と同様に、大學堂スタッフのみんな、そして集まった皆さんに三三七拍子してもらった。終わった直後の司会のMさんの「ありがとうございました!」の一声はとても明るく張りがあって、さながら口上のようだった。
取り外された大學堂の看板が、小さな大學堂リヤカーに乗せられて、旦過市場を去っていった。葬列のように、みんながついていくのだった。
仮囲いを、業者さんがわざわざお別れ会の為に一旦解体してくれて、会の終了後にまた組み立ててくれていた。ありがたかった。
神さまは時々、何かを新しくするために突然の終わりを投げ込んでくることがある。そこで強制的に区切りがつけられ、その中にいる者たちは否応なく次のステージ、フェーズ、段階に移らざるを得なくなる。
嬉しくない。ちっとも。
迷惑な話だ。
でも、始まりとは、案外、そういうものかもしれない。
大學堂、ありがとうございました。
(記)会計担当 U.N(2022年10月2日の週報より転載)
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